今回のインタビューは、PS2用ゲームソフト「塊魂(かたまりだましい)」で使用された名曲「カタマりたいの」でもおなじみの浅香唯さんです。芸能界の中でもゲーム好きと噂される浅香さんですが、果たしてその噂は本当なのでしょうか?

ーー 浅香さんはゲームがお好きと伺っているのですが、ゲームとの出会いはいつごろでしょうか。
浅香実は子供の時はゲーム禁止だったんですよ。中学を卒業して東京でひとり暮らしを始めて、事務所の人にファミコンを買ってもらって、やっとゲームができるようになったんです。その反動がすごくあって、以降ゲームにはまりっぱなしなんです。
ーー 最初にプレイしたゲームは覚えてますか。
浅香たぶんはじめてやったゲームはドラクエ(※1)ですね。その頃は昼間に仕事をして、夜は定時制の高校に通うという生活だったので、ゲームは朝起きて仕事にでかける前のわずかな時間しかできなかったんですけど、それでも熱中しましたね。
ーー 高校を卒業してからもゲームは続けられたんですか。
浅香ええ。続けるもなにも、空いている時間は全部ゲームに費やし続けてましたね。当時はあまりお小遣いがなかったので、ゲームセンターに通って人が遊んでいるのを後ろからずっと見てるっていう、本当にそれくらい好きだったんです。
ーー 当時からパックマンはご存じでした?
浅香もちろんパックマンの存在は知ってましたよ。ただ、わたしゲームセンターではアルカノイド(※2)にはまっちゃったんですよ。だからなかなかパックマンまでやる余裕がなくて。インベーダーですらやったことがないんですよ。
ーー なるほど。ではパックマンをプレイしたのはかなり後になってからでしょうか。
浅香そうですね。携帯ゲーム機ではじめてプレイしたんだと思います。最初はルールも単純だし、簡単なゲームだなって思ったんですが、実はちゃんと考えないとすぐゲームオーバーになっちゃう。当たり前ですけど意外に頭を使うんですよね。
ーー 当時はコンサートなどで全国を廻られてますよね。
浅香ええ。そのころコンサートってお昼と夜の2部構成になっていることが多かったんですけど、1部と2部の間にゲームセンターに行ってました。それがファンの人たちの間で噂になって、会場の近くのゲームセンターに行くと、もうファンがいるんですけど、そんなの関係なしにゲームをやってましたね(笑)。
ーー もちろん着替えてから行かれてたんですよね。
浅香下だけジャージみたいなのに着替えてましたけど、ヘアもメイクもそのままでゲームセンターに行って、2部の開演時間ギリギリに戻ってきてましたね。見られたらちょっとまずいかなあと思いながら(笑)。
ーー 相当お好きだったんですね(笑)。
浅香そう言えばその頃、事務所の隣にテーブルゲームを置いた喫茶店があったんですけど、わたしそこに毎日通ってゲームのデモ画面をじーっと見てたんですよね。それでオーナーの方がお店をやめるときに、持っていきますかって言ってくれたんですよ。それくらい通い詰めたんです。
ーー そのゲーム機はご自分の部屋に置かれたんですか。
浅香もちろんです。それをきっかけに自宅にゲーム部屋を作ったんですよ。テレビゲーム専用のテレビを置いたり、その頃は珍しかったダーツの機械を置いたりして。当時はお小遣いもなくて、食べるのにも困るくらいの状態だったんですけど、それでもゲームにはすべてを賭けるくらい大好きでしたね。ちなみにその時いただいたゲームがアルカノイドです(笑)。

ーー 浅香さんはゲームのどこにそんなにひかれるのでしょうか。
浅香ゲームをプレイしていると、わたしはそのゲームの登場人物になりきっちゃってるんですよね。いっしょに涙しちゃうくらい入り込んじゃうんです。そんな風に別の人生を生きられるっていうのがいいんでしょうね。
ーー やはり1人でプレイされることが多いのですか。
浅香旦那とはたまにプレイしてたんですが、わたし負けず嫌いなんですよ(笑)。 いちばんひどいと思ったのが、一度負けそうになった時、間違えたふりをして足でリセットボタンを押しちゃったんです。そのときはさすがに旦那も事故だからと許してくれましたが、そこまでやっちゃった自分にすごくショックをうけましたね。わたしは人とゲームを楽しめない人なんだなと。
ーー それは対戦スポーツゲームとかですか。
浅香確かボードゲームでしたね。さっきも言ったようにわたしはゲームにのめり込んじゃってるんで、ゲームに負けるって事は人生に負けるってことだと思っちゃったんですよ。で、明らかに負けると思った瞬間にとっさに取った行動がそれだったので。それからは基本的にゲームは人とはやらず1人でやることにしました。 あ、そう言えば大西結花(※3)ちゃんもゲームが好きだったので、2人で桃鉄(※4)をやったことがあるんですが、そのときもちょっと険悪な雰囲気になっちゃって。「なんでそんなに意地悪するの?」みたいな(笑)。
ーー 以前浅香さんは「塊魂」で楽曲をご担当されていますが、その時のお話しを聞かせて下さい。
浅香大好きなゲームの中で自分が歌った曲が流してもらえるなんて、これ以上の仕事はないな、というくらい嬉しかったです。もう仕事ではないですね(笑)。
ーー ゲームはプレイされましたか?
浅香もちろん。ただ、わたしの曲が流れるのがかなり後半のステージなんですね。でも難しくてなかなかそこまでたどり着けないんですよ。松崎しげる(※5)さんの曲が流れるステージなんて本当に何回も繰り返しましたね。わたしの曲より松崎さんの曲の方が詳しくなっちゃって(笑)。 で、とうとう1回だけ自分の曲のステージにたどりつくことができまして、そのときは満足しましたね。 本音を言えば、もうちょっと前のステージにしてもらいたかったなと思いながらも感動しました。今までもいろいろなお仕事をさせていただいてますけど、そのときは本当に歌ってよかったなあと感動しましたね。

ーー ではここでパックマンの正当進化版、「パックマン チャンピオンシップエディション」をプレイしてもらいましょうか。
浅香うわああ、すごいいい。
(画面を見て驚きの声をあげていた浅香さんですが、コントローラーを手にした途端に表情が一変します)
浅香ちょっと、こっち行きたいんですけど!
浅香やばい!あたしこうやって追い込まれるタイプなんです!!
(いきなりパワークッキーを取ろうとせず、モンスターを引きつけておいてから一気に点数を稼ぐという、かなり玄人なプレイを見せてくれます)
ーー 実はこのゲームを使ったパックマンの世界大会があったんですよね。
浅香へえええ、それ見たいなあ、、
(と言いながらも目は画面に釘付け、とうとう片膝立ちでプレイです。はっきり言ってこの場に居合わせた誰よりも上手でした。)
ーー では、プレイしてみたご感想をお聞かせ下さい。
浅香昔のパックマンに比べて動きがとてもスムーズなので入り込みやすいですね。わたしがパックマンになったって感じがします。それにキャラクターもかわいいですよね。 あと、さっきモンスターそれぞれの性格について教えてもらったんですが、それを知ってからやるとすごく楽しいですね。戦略の立て方も変わってきますし。
ーー 今年は浅香さんも芸能生活25周年ということですが。
浅香はい。6月21日でちょうど25周年になります。それを記念して6月9日には全シングルを収録した2枚組CD『CRYSTALS 〜25th Anniversary Best〜』が発売されました。その後には7月7日には初期アルバム7作品を紙ジャケットCD化したBOX SETも発売になります。 また、6/19、20日には25周年記念ライブをやります。今回はたぶん全部のシングル曲を歌おうと思っています。

詳しくはこちらへ http://wmg.jp/asakayui/
ーー 最後にパックマンにメッセージをお願いします。
浅香わたしがどんなにがんばってもパックマンは常に5才年上なので、絶対追い越すことができない先輩です。30年たってもリニューアルされながら愛され続けているっていうのは本当にすごくすばらしいことだと思います。これからもお互いに切磋琢磨しながら育って行けたらいいなと思います。 わたしの人生からゲームは絶対切り離せないものですので、パックマンにはこれからもお世話になるだろうと思います。よろしくお願いしますとお伝え下さい。
![]() |
浅香唯 宮崎県宮崎市出身。 1984年にザ・スカウトオーディションの浅香唯賞を受賞、翌1985年にシングル「夏少女」で歌手デビュー。1993年に一時芸能活動を停止するが、1997年にYUIとしてシングル「Ring Ring Ring」をメルダックより発売、それを機に活動を再開する。 |
|
photo by IKEDA MASANORI |





※1 ドラクエ:
スクエア・エニックス(旧エニックス)から発売されているRPGゲーム「ドラゴンクエスト」。ここで浅香さんがおっしゃっているのは1986年に発売された第一作のこと。
※2 アルカノイド:
タイトーが1986年に発売した業務用ゲーム。初期のテレビゲームの名作「ブロックくずし」を現代風にアレンジしたもの。
※3 大西結花:
浅香さんとほぼ同期の歌手・タレント。1985年に放映されたドラマ「スケバン刑事III」で浅香唯さん、中村由真さんと共に風間三姉妹として人気を博した。
※4 桃鉄:
ハドソンから発売されている鉄道を題材にしたボードゲーム形式のテレビゲーム「桃太郎電鉄」シリーズのこと。浅香さんが話題にされているのは恐らく1988年に発売されたファミコン版第一作のことか。
※5 松崎しげる:
1949年生まれの歌手・俳優・タレント。代表曲は「愛のメモリー」。「塊魂」では挿入曲「愛のカタマリー」を熱唱。