パックマン30周年を記念し、スチャダラパーとTOWA TEIさんによる記念楽曲が12月1日から配信開始される。今回はスチャダラパーの3人(Boseさん、SHINCOさん、ANIさん)に、楽曲「ワープトンネル」について、そしてパックマンの思い出についてお話しをうかがった。



ーー パックマンを最初にプレイした時のこと覚えてますか?

ANIどこだったかなあ。

Boseたぶんゲーセンだと思うんだけど。

SHINCO小6か中1くらいかなあ。

Bose最初は誰かがやってんのをずっと見てたと思う。で、初めてやった時もたぶん1面クリアできなかったね、緊張しちゃって。

ANIそうだよね。

Bose当時は小遣い500円くらいだったから100円が重いんだよね。

ANIうん、たいへんだった。

Bose耳鼻科に行った帰りにお金をごまかして、1000円払ったおつりが350円あるんでゲーセン行くかみたいな(笑)。

ANIレシートとか持って帰らないからね。

Boseでもそれだと3回くらいしかできないんだよね。

ANI予算350円だとねえ。

Boseそれでよくあんだけ楽しんでたなっていう。

SHINCO実際は人のプレイを見てた時間の方が長いんだろうなあ。

Boseそれで自分もやった気になってたんだろうねえ。

ーー やはり家庭用ゲーム機よりもゲームセンターという印象ですか?

Boseうん。当時まだまだゲームはゲームセンターにあるものだったよね。

SHINCOあとデパートの屋上やボーリング場。遊園地や温泉とかね。

Bose温泉だと夜中までできるんだよね。

ANIそうそう。

SHINCOそう言えば、スナックみたいなところで頼むと昼間にこっそりやらせてくれるところがあったね。

ANIあったあった。あとはやっぱり駄菓子屋かなあ。駄菓子屋だと50円でできたからね。

Bose駄菓子屋にあったのが本物のパックマンだったかどうかは今となっては定かではないけどね(笑)。

ANIゲームが家庭に入ってくる前だから、ワクワク感が違ったよね。

Boseその時しかできないからね。帰ったらその日のプレイを想像だもん。

ANI「あそこで逃げときゃよかったぁ」みたいな(笑)。

ーー パックマンはANIさんがいちばんお上手だったとか。

Boseだって初めて会った時に「パックマン鍵(※1)まで行った」とか話ししてたもん。

ANIがんばりましたよ(笑)。

ーー プレイのパターンは自分で考えられたんですか?

ANIいや、誰かが覚えたパターンをやっているのを後ろで見て覚えたね。

SHINCOパターンを何人かで回していくんだよね。

ーー パターンを作るような人は相当やりこんでいたようですね。

ANIそういうのあこがれたなあ。どんだけの経済力だって。

Bose大人はありえないくらい100円玉積み上げてたよね。

SHINCOタバコの煙モクモクのゲーセンでね(笑)。

Bose子供にしたらどんだけ環境悪いんだっていうね。

ANI暗いしね。

Boseカツアゲされるしね。

ーー 当時パックマンがナムコのゲームだって意識はありましたか?

Boseあったあった。ギャラガとかギャラクシアンとかかっこいいと思ってたよ。

ANIゲームセンターあらし的な。

Bose明るい色のビビッドな感じが印象的だったなあ。

ANIうん。明るくてかわいいんだよね。あと音もよかった。



ーー まだ曲は聞いてないんですが、どんな曲ですか?

Boseそれは聞いてくださいよ。今かけるから。

(ここで、できたての「ワープトンネル」を聞かせていただきました)

ーー かっこいいですね!(スタッフ拍手)

Boseゲームとディスコを強引に結びつけた曲ですね。ワープトンネル抜けるとそこは80年代のディスコだったみたいな気分。

ANIレトロフューチャー的な。

Boseスケボー浮いてなかったみたいなね。

SHINCOあれーみたいな。

ーー ライム(※2)はパックマンをプレイしている人の視点なんですね

Boseそうですね。駄菓子屋でやってた当時のワクワクした感じとかを思い出しながら。

ANI「50円ディスコ」だしね。

Boseそうそう。この曲途中までは「パックメン」って仮タイトルで、それから「50円ディスコ」になって、 さすがに50円はまずいだろうと最終的に「ワープトンネル」になったんですよ。

ーー パックマンのBGMや効果音をふんだんに使用してますね。曲作りはサンプルから始めたんですか?

SHINCOそうですね。サンプルし始めてからはわりとすんなりできましたね。せっかくだからもらった素材はとにかく全部使おうと(笑)

Boseやりながらどんどんこう、全部入ったほうがおもしろいと。コーヒーブレイクまで入るからね。 完全にオリジナルな素材を使ってるから、作っててオフィシャルな曲を作ってるなって気がしたよね。

ANI大手を振って「ナムコですけどナニか?」みたいな(笑)。うしろめたくないもん。

Bose全然気分違ったよね。

SHINCOスラスラーってできたもんね。

ANIライム(※2)もすらっと。なんか楽しい曲になればいいんじゃないかと。

ーー 逆に作っていて苦労されたところはありましたか?

Boseどこまで駄菓子屋感を出していいのかは悩みましたね。 自分らはパックマンというと駄菓子屋のイメージが強いけど、普通はもっと大人の世界であるゲームセンターだもんね。 ま、でも最終的には素直に自分達の気持ちに従いました。

ANIだからたぶん年齢が限定されるね。

Boseうん。若い人には意味がわかんないかもね。「駄菓子屋でパックマン、なにそれ?」みたいなね。



ーー パックマンが30年間愛されてきた理由ってなんだと思いますか?

Boseやっぱりルールがシンプルでよくできてるよね。基本的に自分は不利なんだけど有利になる瞬間があって、 しかもどんどん難しくなっていくっていう。「ゲームってこういうことでしょ」みたいな。

ANIうんうん。

Boseやっぱりゲームバランス。例えばパワークッキーが8個だったら30年続いてないと思う。これは奇跡だよ、神のイタズラだね。

SHINCO意味がないところもいいよね。

ANIああ、そうだよね。あとデザイン的にもかっこいいんだよね。

Boseモンスターに目があるのにパックマンにはないじゃないですか。キャラとしてはパックマンの方が無機質だっていう。そこが不思議だよね。

ANI考えれば考えるほど不思議だよね。

Bose逆輸入的なイメージもあるよね。

ANIうん。洋ゲーっぽいよね。ミズパックマンとかね。

SHINCOだからなんかオシャレなイメージ。

ーー これからのパックマンはどうなっていくと思いますか?

Bose10年、20年後もやっぱり変わらずおもしれーんだろうなあ。

SHINCO(パックマンがうまい人が)けん玉うまい人みたいになるかも。

ANIなるかもね。

SHINCO(パックマンを)「ずっとできんだよあのおじさん」

Bose「マジで?」みたいなね。

ANI「パターンだよ」ってね。

Bose60になって威張れるっていうね。

SHINCOまったく新しいパックマンも見てみたいですね。

ANI3Dでバーチャルなパックランドとかね。

BoseFPS(※3)なのね。

SHINCOでもパワークッキー取るとモンスターが白くなるという。

ANIRPGもやりたいね。

Bose無双(※4)ものとかもね。

SHINCOコンボコンボコンボで何千匹のゴーストをね。

ANI赤塚不二夫みたいにパワークッキー食べると数秒間だけパックマンがリアルになるやつとか。

Bose劇画調にね。


アーティスト: スチャダラパーfeat.ロボ宙&かせきさいだぁ
タイトル: ワープトンネル
発売元: バンダイビジュアル株式会社
価格: 200円
※価格は、iTunes Store(日本)における、アルバム販売のものです。
発売日: 2010年12月01日配信開始


ダウンロードはこちらから >>

※1 鍵:

パックマンが一定数クッキーを食べるとゴーストの巣の下にフルーツが出現し、それを食べるとボーナス得点が入る。フルーツの種類はステージをクリアするごとに変わっていくが、ステージ13以降は「鍵」が出現する。つまり「鍵まで行った」というのは「ステージ13まで行った」ということを意味する。

※2 ライム:

ラップに特徴的な韻を踏む行為、または韻を踏んだ歌詞のこと。

※3 FPS
(First Person Shooting):

バンダイナムコゲームスの「ガンダム オペレーショントロイ」のように主人公から見た視界がそのまま(主に)3Dで表現されるシューティングゲームのこと。

※4 無双:

コーエーテクモゲームスが開発した「真・三國無双」に端を発する対戦型格闘ゲームシリーズのこと。簡単な操作で多数の的を倒す爽快感が特徴。バンダイナムコゲームスと協力して開発された「ガンダム無双」シリーズも人気を博している。


ANI(アニ)
Bose(ボーズ)
SHINCO(シンコ)

スチャダラパー

ボーズ、アニ、シンコの3人からなるラップグループ。1990年にデビューし、1994年「今夜はブギーバック」が大ヒット。以来ヒップホップ最前線で、 フレッシュな名曲を日夜作りつづけている。
2009年1月14日に、木村カエラをフューチャリングしたシングル「スチャダラパー+木村カエラ/Hey! Hey! Alright」をリリースし、 オリコンチャート10位を記録。
また、3月19日に、約8年ぶりとなる単行本「ヤングトラウマ〜ひろ子、ドカベン、バムバータ。〜」を出版。

http://www.schadaraparr.net/(for PC)
http://rrmobile.jp/sdp(for MOBILE)

photo by IKEDA MASANORI